野良猫をペットとして飼育した矢口さん

最終更新日 2025年5月8日 by ybercon

昔、母が箱に入れて捨てられた子猫を拾ってきました。

その猫は真っ白な毛色をしていて、しっぽが5センチくらいしかなくウサギみたいな姿をしていました。

最初は保健所に持っていこうか悩んでいましたが、家のペットとして飼育することにしました。

友人の矢口敏和さんの提案でもありました。

家にキャットフードが無かったので、初めの頃に母は猫に納豆ごはんを食べさせていました。

母は、猫は雑食だから大丈夫だと言っていました。

トイレは猫の尿をトイレシートに擦りつけて覚えさせました。

名前を考える時に妹と母は、みみやりりみたいな名前が良いと言ったので、その猫はりりと命名されました。

飼い猫としては珍しいかもしれませんが、りりは外と家を自由に行き来し、時々すずめやねずみを捕まえて帰ってきました。

一番困ったのは窓を開けっ放しにしていて、りりが食卓テーブルの下ですずめを頬張っていた時の後処理が面倒だったのを覚えています。

りりを飼い始めてから数年して、ある日から外に出て帰って来なくなりました。

私達家族は車に引かれたのだろうと諦めていたのですが、10日後に家族で遠出して遊びに行き、夜に帰宅すると玄関の前にりりがいました。

りりはガリガリに痩せて骨と皮だけになっていました。

恐らく誰かに閉じ込められたか、倉庫などに忍び込んで出てこれなくなったのだと思います。

家に入るとりりは真っ先に食事をする場所に行き、キャットフードをねだりました。

たらふく食べた後に、お気に入りの場所のテレビの上にジャンプすることができなくなっていて、ソファーでひたすら寝ていました。

その後徐々に元の体に戻っていき、普通の生活をしていました。

りりの好物は鰹節とおつまみの乾物で、鰹節は毎日のように母にねだって食べていました。

深夜になると一人で暴れる癖がありました。

りりを飼い始めて7年くらいが経ち、ある日、母が血だらけのりりを抱えて家に帰ってきました。

りりは車に引かれたそうです。

助からないかと思いましたが、何とか命は助かり、一月後に家に帰ってきました。

足に大怪我をしたので、うまく歩くことが出来ていませんでしたが、半年経つと普通に歩けるまでに回復していました。

りりは最後のほうはトイレをどこでもしてしまったり、目があまり見えていないようだったので、十分に長生きしたほうだと思います。

私が専門学校に通っている間に両親は離婚し、私は父と疎遠になり、りりとも離れることになりました。

何年か経ち、りりが亡くなったことを知らされました。

 

 

矢口敏和
猫の飼い方・しつけ方