世界の貧困と子ども

最終更新日 2025年5月8日 by ybercon

1.国際社会共通の目標は貧困を無くす社会へ

世界には必要最低限の生活水準が満たされていない家庭が数多くあります。

貧困の定義は国によって異なります。

貧しい家庭では子どもが犠牲になる例も多いです。

子どもが心身ともに健康な状態で成長するためには栄養や住居、教育などの基本的な社会サービスが必要になります。

近年では絶対的貧困率はだいぶ改善されていますが、先進国における所得格差は広がっています。

開発途上国を見ると経済成長によって都市部に人口が集中して富裕層が生まれている反面、農村部は依然として貧しい家庭が多いです。

貧しくなる原因は国や地域により異なりますが、多くの場合は様々な要因が重なって貧しさが生まれています。

テレビや新聞、雑誌などのメディアでよく取り上げられるようになった言葉にSDGsがありますが、SDGsとは持続可能な開発目標の略です。

2015年9月に国連でサミットが開かれています。

各国のリーダーが集まったサミットの中で決められたのがSDGsです。

SDGsは国際社会共通の目標で、新しく策定されたSDGsは誰も取り残さないことを目指しています。

先進国も開発途上国も一緒に達成すべき目標を持ちます。

SDGsは17の目標と169の具体的な目標で構成され、2030年までに極度の貧困を終わらすことを目指します。

2018年7月に発表されたSDGsの達成ランキングでは、日本は15位になっています。

日本が達成していると評価されたのは1つだけです。

2.世界的に行われている貧困を解消する方法

貧しさを解決する方法には様々な方法があります。

世界では1年間に多くの子どもが下痢やマラリア、肺炎などで命を落としています。

約半数の子どもは、生まれてから1ヵ月後まで生き延びられないという現実があります。

死亡原因の半分近くが栄養不良です。

支援する側は、現地の人々の声を聞きながら様々な支援を行っています。

最初の数年は地域の人々と信頼関係を築いていき、信頼関係を築くことができたら貧困の原因となっている食糧不足を改善していきます。

安全な水を確保し、医療や教育など子ども達が本来受けるべきサービスを提供しています。

子どもたちや地域の人々が生活を改善し、自分たちでより良い生活を送れるようにサポートします。

世界の貧しい子どもたちを救うために、多くのボランティア団体が活躍しています

子どもの病気を防ぐためには安全な水の確保が必要なので貯水タンクや井戸、トイレを整備してあります。

貧しさから抜け出すには収入を増やすことが重要になります。

職業訓練や農業支援などを行い、家族の収入を増やすことで貧しさから抜け出す道を作っていきます。

貧しくて食事が摂れないと栄養状態が徐々に悪くなります。

子どもの栄養状態を定期的にチェックして発育をしっかりとサポートします。

保健サービスをエリア内で提供できる人材を育成し、地域にある医療機関とも提携して妊産婦のケアも行います。

国際通貨基金が発表したデータを見てみると、アフリカや一部の中東の国は戦争や飢餓の影響で貧しい状態から抜け出せない状態です。

3.軽視できない貧困の中にいる子供たち

国際通貨基金は世界各国の経済力データを有します。

世界の国と地域をPPPベースのGDPでランク分けし公表しています。

PPPというのは購買力平価のことで、GDPは国内総生産です。

PPPは各国の生活の水準を比べるためにインフレ率と生活費を計算に入れています。

貧困家庭が多く汚職が多い独裁政権では、天然資源が多くても一部の人間だけが富を握っている状態です。

国連開発計画とOPHIが2018年に発表したMPIの推計を見ると、貧しさの中で暮らす半数が18歳未満の子どもという結果が出ています。

インドでは2005年から2016年にかけて2億7000万の人が厳しい極貧生活から脱します。

貧しさと教育は密接に結びついています。

貧しい家庭に生まれた子どもは十分な教育を受けられないため、安い賃金の仕事しかできず貧しさの連鎖が生まれます。

日本では義務教育があるため、就学率はほぼ100%です。

世界のどの国でも子どもが教育を受けられるようにする義務があります。

発展途上国の貧しい地域では、教育を受けられず字が読めない子どももいます。

字が読めないと安定した収入を得られる職に就くことが難しく、貧しい生活から抜け出ることが困難になります。

教育を受けられない理由は貧しさだけでなく、児童労働も原因のひとつです。

地域によっては近くに学校がないため教育を受けられないケースもあります。

発展途上国では女性に対する教育が軽視されています。

女子の中等教育就学率が10%増加すると、乳幼児の死亡率が低くなります。

教育を受ける期間が長くなることで生まれる子どもの数が減り、ひとりの子どもに手をかけて育てられるようになります。

教育も余裕を持って受けられるようになることで、安定した仕事に就きやすくなり生活環境が改善されます。

最近は日本でも貧しい環境にいる人を救うためのボランティア団体が増えています。

 

関連ページ

日本ユニセフ寄付金控除